Webの行動分析がうまくいかない 理由と解決策

2021.03.15

デジタルマーケティングを活用してビジネスをグロースさせるために、Webの行動分析を行うことは企業にとって当たり前の時代となってきました。

しかし、経験・知見がなく全然うまくいかない。分析ツールを使えば簡単に行えると思っていたけど、なかなか思うような情報が得られない。そもそも行動分析のやり方がいまいちわからない。と嘆いている方が多いのではないでしょうか。

行動分析と言ってもいくつか方法があり、進め方を間違ってしまっては結果を出すことが困難になってしまうのです。

この記事ではマーケティングにおけるWebの行動分析・モニタリング手法について解説し、行動分析がうまくいかない理由、それらに対しての解決策を紹介します。

Webの行動分析が思うように進まない、行動分析を行い結果を出さなければいけない方はぜひ参考にしてみて下さい。

マーケティングにおける行動分析とは

行動分析とは文字通り行動を分析することだとは理解していただいていると思います。しかし、マーケティングにおいて行動を分析するというのは一体何を意味するのでしょうか。さらにWeb上での行動分析とは具体的にどのようなことを指しているのでしょうか。

まずマーケティング領域における行動分析とは、消費者(顧客)が製品購入時に行う意思決定プロセス、影響力、行動を分析することを意味しています。

Web上において使用されている行動分析も、意味するところは同じです。顧客が商品購入に至るプロセス等を意味しています。

SNS、EC等での顧客の行動、例えば自社を見つけた経緯、商品を見つけた経緯、他社の類似商品と比較したか、何がきっかけとなって自社商品購入に至ったのか、というような行動を分析して、最終的にどのような行動をすることで購入に至るのかを把握することで、効果的にキャンペーンを実施することができるようになります。

マーケティングではこの行動分析を行うことで、非常に効果のある施策を打つことができるようになります。従来であれば、マスメディアで広告を打って認知を広げることで売上を上げることが可能でしたが、近年はインターネット、SNS、アプリ等が普及したことによって顧客行動が複雑化しました。

友人からの紹介で、製品を認知したのか、クチコミによって商品を購入したのか、それともクチコミによって離脱してしまったのか、それらの行動を事細かに分析することで、この複雑化した意思決定プロセスをデータとして可視化することができます。

そこから「どのような行動を促すことで、顧客が離脱せずに購入にまで至ってくれるのか」など仮説を立て、施策を打つことができるようになるのです。

具体的にどのような分析・モニタリング方法があるのか、大きく3つに分けて紹介します。

分析・モニタリング手法

分析・モニタリング手法は大きく「定点観測」「課題探索」「行動理解」の3つに分けられます。

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レベル1 定点観測

まず1つ目の定点観測とは、Googleアナリティクス、Tableauなどのアナリティクスツールを用いて「結果の数字」例えば、MAU(Monthly Active User)、DAU(Daily Active User)、広告キャンペーンからの流入数を知ることなどです。

これらの数字を追うことで、施策等に対する顧客の反応を見ることができます。

例えば1万円の商品に対してそれぞれ100万円の費用を費やして、広告Aと広告Bを打ったとします。

広告Aは100件の購入に至る成果を挙げました。

一方広告Bでは200件の購入に至ることができました。

広告AにおいてのROAS(Return On Advertising Spend:費用対効果)は(1万円×100件)÷100万円=100%となります。一方広告BのROASは(1万円×200件)÷100万円=200%となります。

単純にROASだけで考えるのであれば、広告Bの方がAよりも”いい”広告であったと判断することができます。

さらに数字を深掘りします。自社サイトへの流入数を見てみましょう。 

広告Aは新規ユーザーの流入が100,000件。

一方広告Bでは新規ユーザーの流入が1,000件。100倍の開きがありました。

商品そのものに興味を持ってサイトへ来訪してくれたわけですから、この中の数%はいずれ商品を購入してくれるかもしれません。

将来の顧客候補を集客したという意味での”いい”広告はAであった訳です。

このようにしてマーケティング施策は多角的な視点で効果を測定することが重要です。

定点観測ではこのように、顧客の行動、反応を見て、施策に対する効果等を把握するのに適している行動分析手法となっています。

レベル2 課題探索

2つ目が「課題探索」で、要因を分析することです。

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例えば、ユーザーが購入まで至らなかった場合に「なぜ離脱してしまったのか」というようなマーケティングファネルにおける特定の課題をスポット的に分析し、課題探索を行います。

課題探索で使用されるツールは主に、Google BigQuery、Adobe Analyticsなど、SQLの条件指定を活用して時間と労力をかけて分析することが一般的です。

課題探索では、離脱してしまった要因等を見つけ出すことで、その後の改善に生かすことができるようになります。

レベル3 行動理解

3つ目が「行動理解」で、顧客の行動を細かくデータ収集します。例えば「どの商品を何回閲覧して購入したか」「この商品を見る前に他の商品を閲覧したか」「来訪して何を検索したか」「他にどういう商品に興味があるのか」「何日ぶりに来訪したか」「何度目の来訪なのか」など、さまざまな行動データを紐解きます。

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こちらは、あるオウンドメディアのユーザー行動の軌跡です。(Amplitudeというツールを使用しクリック操作だけで確認ができます。)

ご覧のように、個別IDごとにサイト内でどのような経過を辿っているかが確認できます。

例えば、オウンドメディアのTOPページを閲覧後、ノウハウ記事を読み、企業サイトを閲覧する。このように詳細な軌跡を辿ることで、この人が何をして、何に興味を持って、どうしたいのかが見えてきます。

このようにして、顧客の行動理解を行うことで、どのような行動を行なった人が購入に至りやすいのか、どのような行動を行なった人がロイヤルカスタマーになってくれているのか、また反対に離脱してしまっているのか等、理解することができるようになります。

特に「ずっと使い続けてくれる人はどういう行動をとっているのか」や、「どういう行動を取った人は離脱してしまっているのか」を把握し改善を施すことで、売上を大きくアップできる可能性があります。

データから顧客理解し施策を打つデータドリブンが大切

一般的に広く使われている無料ツールのレベル1 定量分析だけでは、顧客の行動を理解するための材料がまったく足りません。Webの行動分析がうまくいかない、とお悩みの場合は、このレベル1の分析のみをされているケースが多いのです。

これからのマーケティングに必要になるのは、顧客行動の背景にある理由を深く追求すること、つまりレベル2 課題探索とレベル3の行動理解を行う必要があるということです。

行動理解について詳しい説明はこちらの記事を参照ください。

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データから顧客理解し施策を打つ、まさにデータドリブンが大切になってきています。

ここでいうデータドリブンとは、オンラインデータだけでなく、店舗POSレジなどのオフラインデータも含めた、顧客の多岐にわたる行動データをすべて蓄積することで真の顧客行動を把握し、ビジネスに活かそうとする考え方です。

データドリブンについての詳しい記事は、こちらを参照ください。

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従来の、少ないデータを元にした勘に頼った施策では、今の顧客ニーズの変化スピードに、また市場の変化スピードに対応することはできません。

今は大量のデータ処理インフラが整っています。顧客の全ての行動データを一元化してトラッキングすることが可能です。それらを駆使して「来店」「購買」「サイト来訪」「アプリ使用」といった多岐に渡る行動、いわゆる全量データを解析できる環境がすでにあるのです。

まとめ

この記事では「Web行動分析がうまく進まない」理由と、解決策について紹介しました。マーケターがWebで行動分析を行う際には「定量分析」だけではなく、「課題探索」と「行動理解」が大変重要です。グロースマーケティングは、この「行動理解」を全量データより紐解くことから始まります。

Amplitudeは、米国でグロースに成功した企業の分析ノウハウを詰め込んだ行動分析ツールで、これまでの他分析ツールでは課題探索に数週間かかっていたものが、ものの数分でGUIを操作するだけの簡単操作で導き出せるプロダクトインテリジェンスツールです。グロースマーケティングの考え方の伝授やツールの最適な使い方支援など、一気通貫でサポートいたしますので、ぜひお問い合わせください。

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