【事例あり】広告に頼らないデジタル接点の作り方 1/3

2021.01.18

広告に頼らないデジタル接点の作り方 1/3

IT業界の急激な発展に伴い、マーケティング手法も大幅に変わっています。特に企業と顧客が接触する場面での変化が大きく、デジタル上でコミュニケーションを取ることが多くなりました。しかし、デジタル上で顧客とコミュニケーションをする際に毎回広告を使っていてはコストがかさんでしまいます。

そこで今回の記事では、広告に頼らないデジタル接点の作り方を解説します。

デジタル接点を作りたいけど方法がわからない、広告以外の方法でデジタル接点を作りたいと考えている方はぜひ参考にしてみて下さい。

デジタル接点とは?

デジタル接点とは、デジタル上での顧客接点のことです。顧客接点とは、別名タッチポイントも呼ばれ、あなたの属する企業や店舗、提供する商品、サービスなどの顧客と直接関わる点を意味します。

これまでは店舗での接客や営業が顧客接点でしたが、現代ではインターネットの普及により、SNSやWebサイトといったデジタル上での顧客接点をどのように作り、いかに快適な経験をしてもらえるかが重要となりました。また、昨今ではコロナ禍で店舗での顧客接点活用が難しくなっていることは皆さん感じられていることでしょう。

広告に頼らないデジタル接点作りを検討するべき理由

なぜ広告に頼らないデジタル接点を作る必要があるのでしょうか?

それは、広告で結果を出すには大量の資本が必要になるからです。ほとんどの広告媒体には広告プランがあり、そこでお金を最も多く費やしている広告ほど表示されやすく、少額の資本では広告の効果を得ることが困難だからです。CAテクノロジー社が中小企業・個人事業主を対象に行った、Web広告、SEO対策に関する調査(https://jetb.co.jp/2568)では合計92%が費用対効果を実感できていないと報告されています。

さらに、広告ブロッキングアプリがダウンロードされていることからユーザーは広告を避けたいことが理解できます。広告ブロッキングアプリとは、アプリ使用中や、検索ブラウザ(GoogleやSafari等)を使用中に出てくる広告を非表示にしてくれるアプリです。Safariで広告をブロックできるアプリAd Guardは5,000,000件以上ダウンロードされているなど人気を集めています。Youtubeでの広告をブロックするアプリBlock All Ads For Youtube Vanced adsも5,000,000件以上ダウンロードされています。

これらの理由から広告に頼らずに顧客接点デジタル化を検討することが重要なのです。

広告に頼らないデジタル接点の作り方

7steps-on-how-to-create-digital-customer-touchpoints

 

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広告に頼らないデジタル接点の作り方として、以下の7つのステップを踏むことが大事です。

  1. カスタマージャーニーマップ作成
  2. どの顧客接点をデジタル化する必要があるか判断
  3. 顧客理解(情報の収集・活用)
  4. 顧客情報を基にペルソナを設定
  5. 顧客ニーズの把握
  6. 施策の策定(顧客にあった手法・ツールを見つける)
  7. 顧客からのフィードバック

これらの7つのステップでは常に「共感性・ストーリー作り」「パーソナライズ」の2つを念頭に置くことが大切です。

それでは上記ステップを一つ一つ詳しく解説します。

カスタマージャーニーマップ作成

広告に頼らないデジタル接点の作り方としてまず、カスタマージャーニーマップを作成します。カスタマージャーニーマップとは、顧客が商品、サービスを知ってから購買に至るまでのプロセスのことを指し、作成することで顧客接点を把握することができます。

どの顧客接点をデジタル化する必要があるか特定

次に顧客接点を全て把握し、どの部分をデジタル化する必要があるかを決定します。全ての顧客接点をデジタル化するわけではなく、どの顧客接点が重要で、どのような施策を施すことができるかを考えます。

まず顧客があなたの商品や、サービスに接触する点である顧客接点を「購入前」「購入中」「購入後」の3つに分類します。その際、レビューや評価などの外部のタッチポイントも含めて、顧客が購入に至るまでの過程で、どの顧客接点が重要であるかを特定し、どのようにデジタル化できるか戦略を立てます。

デジタル化を検討する顧客接点を決定し、デジタルと非デジタルの顧客接点を統合します。全ての顧客接点でのデータを統合することで、全チャネルにおける顧客行動の全体像を社内全体で共有でき、一貫したオムニチャネル体験を提供することができます。

顧客理解(情報の収集・活用)

顧客をより理解するため、情報収集できる環境を構築します。情報を収集することで、より顧客一人一人にあった商品、サービスを提供できるようになり、顧客満足に繋がります。従来は性別、年齢、居住地などのデモグラフィック情報(顧客属性情報)を収取・分析することが多かったのですが、顧客のニーズの多様化により属性情報の分析だけでは顧客を正しく理解することが難しくなってきました。

そこで最近注目されているのが顧客行動情報の分析です。オンライン上でどのボタンを押したか、どの広告を見たか、何の商品をカートに入れたか、などの行動データは、より雄弁に顧客の姿を語ります。

そして、情報は収集するだけでなく、活用をしてこそ価値を生みます。グロースマーケティング※において必要とされているのがこの「情報の活用」です。

グロースマーケティング
企業・事業・製品・サービスの持続的成長にフォーカスしたマーケティング活動の総称。行動理解、高速に施策を繰り返す、的確な目標・指標設計の3つを軸とする。

これまで多くの企業が情報を収集してビックデータを作成したにも関わらず、あまり有効に活用できていません。テル株式会社が行った調査(https://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/2003/24/news015.html)によると、社内で活用できていないデータの割合は全体平均の48%にも及ぶとの結果が出ています。年々貯蓄しているデータの数は増えていますが、その分使われていないデータの数も増えてきているということです。

この状態を解決し、顧客を正しく理解したマーケティング活動を行うためにもデータが活用される環境を構築する必要があります。

顧客情報をもとにペルソナを設定

分析した顧客情報をもとに、ターゲット層となるペルソナを設定します。ペルソナを設定することで、顧客の状況、目標、経験などを理解することができるようになり、より良い顧客経験を提供できるようになります。

実際に顧客インタビューをして、どのような経緯であなたの会社、商品、サービスを見つけたのか、購入するに至った経緯や動機などを押さえることが大切です。

より具体的にペルソナを設定することが大切ですので、学歴、年齢、性別、職業、名前、趣味など事細かに定義するように心がけましょう。

顧客ニーズの把握

次のステップは「顧客ニーズの把握」です。集めた情報を分析します。分析をする際には、顧客全体を一つとして情報をまとめるのではなく、顧客一人一人を理解できるようにすることが大事です。

顧客は自分に合った情報や商品、サービスを求めており、他の誰かに適したものを探しているわけではありません。

顧客一人一人の趣向、性格、行動の傾向、過去の購入品、過去に買い物かごから削除した商品、流入経路等の情報を全て個人用にカスタマイズし、一貫して管理することが大切です。ここでも収集した顧客の行動データが活用できます。経験と勘に頼って想像した顧客ニーズではなく、実際の顧客の行動データに基づいた仮説立案が重要です。

施策の策定(顧客にあった手段・ツールを見つける)

作り方の次のステップは「施策の策定」です。顧客接点を作る際にどのようなツールが顧客にとって最も使用しやすいかを考えます。ここでも大切なことは「顧客視点に立つ・ユーザーファースト」です。

広告に頼らずに顧客接点をデジタル化する手段として自社アプリ、Webサイト、eコマース、メルマガ、SNS等たくさんの種類があります。SNSをとってもInstagram、Twitter、Facebook、TikTokなど様々です。

例えば、ある調査によるとイギリス人は平均12分に1回の頻度でスマートフォンを使用しているというデータがあります。これらのことから、顧客満足度を高めるためにもスマートフォンアプリを顧客接点の一つにするべきということが理解できます。

このように顧客の適切な手段を知るためにも、各ツールの特徴を理解することも重要です。

さらに、顧客はSNS等一つの顧客接点だけでは購入に至ることが少なく、いくつかの媒体を通してあなたの商品、サービスについてより多くの情報を得てから購入を決断する傾向があります。

SNSで情報を集め、さらにAmazonで評価や口コミを見て、その後楽天で評価や口コミを確認して、さらに他社の類似商品と比較をしてからWebサイトに行って直接購入をするということがよくあるのです。顧客は購入前に、他の顧客が作成した口コミや評価、写真などのコンテンツをを求めています。

それらの複数の顧客接点をシームレスにつなぎ、最高の顧客体験を提供できるよう、顧客の目線に立ち考えることが大事です。

顧客からのフィードバックを基に改善

商品やサービスは顧客を第一に考えることが大切です。ここまでの段階でもちろん顧客情報を集め、分析をしますが新しい商品を開発すると多くの場合不満を感じている点や、よかった点としてフィードバックを受けます。

その際、ネガティブな意見にもポジティブな意見にも真摯に向き合うことが大切です。顧客が不満を抱いている点に関しては、顧客のネガティブな体験を減らすためにどのように改善をできるかに役立てます。ポジティブな意見は、顧客満足度を一層高めるため、よかった点をどのように強化するべきか考える際に取り入れるのです。

広告に頼らないデジタル接点の作り方事例

ここまでが広告に頼らないデジタル接点の作り方です。

ここからは実際にはどのようにして顧客接点がデジタル化されているのか、コカ・コーラとスターバックスを例に紹介していきます。

続きは、こちら

【事例あり】広告に頼らないデジタル接点の作り方 2/3

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