顧客分析して満足?それじゃ二流です

f:id:krwk:20210224181914p:plain

 

こんにちは。安田です。

アプリ開発とデジタルマーケティングを支援するロケーションバリューでB to Bマーケティングをしています。私自身マーケティングリテラシー低めですが、そんな私が初心者マーケターにもわかるように解説していくこのコーナー。

 

今回で第11回目です。

 

前回第10回の記事では『あなたは顧客を正しく理解できているか?』について解説をしました。

 

第1回目から順番に読んでいただければ、より理解が深まると思いますので、まだ読んでいただけていない人はぜひ読んでから戻ってきてほしいです。

それでは、今回のテーマを発表します。

 

顧客分析して満足?それじゃ二流です

 

Here We Go!

 

顧客を知ってどうするか

え、ちょっと待って。

前回の記事で、顧客理解について解説して、顧客理解に関するトピックは終わったと思ったのにまだ続きがあるの?

 

そうなんです。

もちろん、前回の記事でも説明したように顧客について深く知る、行動ベースで知ることはとても大切です。

しかし、それだけで終わってしまってはダメなのです。

顧客を知って満足をしていてはいけません。

 

顧客を分析し、行動を理解をしてもそれだけでは何の役にも立たないのです。

ただただ、また使用しないデータが増えたに過ぎません。

それらを基に次は、将来につながる示唆を出し、アクションを起こすことが重要なのです。

 

言い換えると、「知る」だけにとどまらず、「打つ」「企てる」まで見据えることが大切となります。

前回はそのうちの「知る」について説明をしました。

 

実は「知る」も3つに分けることができるのです。

CRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)という「顧客との関係性の管理」を意味する言葉がありますが、このCRMを「縦串CRM」「横串CRM」「立体CRM」という3つに整理することができます。

 

それでは一つ一つ見ていきましょう。

 

  • 縦串CRM

縦串CRMとは大規模な会員基盤、ユーザーサービス、プロダクト等を持つA社という大企業が、まず1つの特定のプロダクト群についての行動体験の中でどういうことが起きているのかを知るということです。

特定プロダクトの中で、ユーザーがどんな行動をしているか知ることは、行動分析結果を次の施策に生かすための基礎となります。

 

  • 横串CRM

横串のCRMとは、複数のプロダクト群、例えば家庭用生活用品を扱う企業であれば、シャンプー、化粧品、オムツなどのラインアップがあるときに、この会社のブランドにそのユーザーがどのようにエンゲージしてくれているのかというのを包括的に把握することを意味しています。

例えば、顧客Aは「シャンプーは約40日サイクルで購入をしている」「化粧品は毎回同じ商品1つと、新しい商品2つ購入している」「オムツは一度に大量購入している」などのように1人の顧客の行動を複数の製品群を横断して一貫して掴もうということです。

 

  • 立体CRM

立体CRMとは、その企業ブランドがECサイトを運営しいてる場合、ECでの行動とお店での行動がどう関連しているのかというのを、立体的にOMO(Online Merges with Offline)の観点で知るということです。

店舗のオフラインデータ、ECのオンラインデータ等、オフライン、オンラインの垣根を越えて管理します。

 

上記の3つの観点を持つことで、顧客を知るという行動も単純な商品軸だけでなく、厚みを持った行動データとして理解することができるようになります。

 

打つ

顧客について「知る」を、上記のようにオフライン、オンラインで連携して共有することができれば、次に行うことは施策を「打つ」ことです。

グロースマーケティングでは、可視化(知る)で終わらずに、アクションに繋げていくことが大切です。

 

「打つ」フェーズも、「行動ターゲティング」「コンバージョン最大化」「獲得プロモーションの改善」の3つに分かれています。

 

それでは、一つずつ見ていきます。

 

1. 行動ターゲティング

ここでいう「行動ターゲティング」とは従来までのものとは異なります。

でなければわざわざ、解説しませんよね。

 

ユーザーの行動を分析し、特定のターゲットにはこんな施策が有効ではないか、という仮説を立てることは従来でもできました。しかし、施策を打つ際は全く同じターゲットにその施策を打つということは難しいものでした。

 

現代ではそれらを連動し、一貫した行動ターゲティングを行うことができるようになったのです。

 

つまり、

 

ここでいう行動ターゲティングとは、分析で掘り出したターゲティングユーザー群をそのまま取り出し、その次の施策に使用していくところまで使うことができる、ということを意味しています。

 

例えば、動画配信サービスで「『ワンピース』を1回でも視聴した人」などという行動指定でユーザーの集団を取り出し、その人達だけに向けてアプリプッシュサービスを行うことが可能となったのです。

 

2. コンバージョン最適化

行動ターゲティングの次は、コンバージョンの最適化です。

 

行動分析をすることによって、アプリやサイトの不便な動線が明確になります。「アクセスしてカートに入れたものの、買わずに離脱した」だとか、「申し込み動線が面倒臭い」といったボトルネック、離脱のポイントがこの分析で見えてくるのです。

 

離脱のポイントを把握することができれば、継続的にサービス利用をしてくれるユーザーも増えますので、ビジネスをグロースさせることにも繋がります。

 

「どのようにすれば継続して使用してくれる」を考えることも大切ですが、「どのようにすれば離脱しないか」を考えることも同等に大切です。

 

3. 獲得プロモーションの改善

広告を打つ際に「売上」などの直近の数字を見ているだけでは、広告の真の効果を評価することはできません。

 

例えば、GoogleやFacebookで広告を打つ際に、あるサービスのコンバージョンを「会員登録」とします。

Google広告での1人の会員を獲得するのに1,500円かかりました。

Facebook広告だと1,000円かかりました。

直近の数字だけを見てしまうと、「Facebook広告の方が費用対効果がいい」と評価してしまいがちです。

 

しかし、広告では「中長期的な数字」を加味して評価をすることも忘れてはいけません。

 

中長期的な数字とは具体的に「LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)」のことです。

 

LTVの観点で、そのユーザーが「今後どれくらい繰り返し買い物をしてくれる人なのか」、あるいは、「ライバル店に目移りいやすい人なのか」などを見極めて、LTVの最大化に重きを置き、最適な広告配信をしていくことが大切なのです。

 

行動ベースで顧客を追跡することによって、正しい指標で広告を運用できるようになります。

企てる

顧客を知って、アクションを打って、それだけでまだ終わりません。

次は「企てる」です。

 

「知る」で得た示唆をすぐに施策に反映するのが「打つ」で、中長期の目線で戦略的に反映していくという活用法が「企てる」です。

 

具体的には2つのステップがあります。「サービス戦略立案」と「リテンション最大化」です。

 

1. サービス戦略立案

顧客の行動を追うことで、ユーザーが複数のサービスをどう利用し、それが継続につながっていくのか、サービス利用の流れはどうか、ということが見えてきます。

 

それを基に、今後の商品プロダクト戦略を立てます。

 

これまではユーザー体験などはアンケートやインタービューなどで確認していましたが、これらだけでは真のユーザー利用実体を知ることはできません。

 

行動ベースで顧客を追い、データ化することで。提供者目線の意見聴取では見えてこない、真のユーザー利用実体を数値で見ることが可能なのです。

 

2. リテンション最大化

顧客の行動を追い、サービス戦略を計画できれば、次に行うのがリテンションの最大化です。リテンションとは「企業が既存顧客との関係を維持する」という意味で、それを最大化、つまりリテンションの最大化とは、顧客との関係を維持しつつ、より良いものへと築き上げること。です。

 

リテンションを最大化させるためには、戦略立案チームは行動ベースで起きていることを把握する必要があります。

 

例えば、わずかな売上しか作ることができていないBというサービスがあります。売上という数字だけを見れば、改善を施す必要、もしくはサービスの提供を止めるべきだという結論にもなり得ます。

 

しかし、このBというサービスが他の主要サービスのリテンションへのきっかけとなっており、主要サービスのリテンションを通じて収益に大きく貢献しているというデータを見つけることができれば、そのサービスは継続をし、また改善を施し、大きくしていくべきだと言えるかもしれないのです。

 

このように単体では利益を大きくあげれていないサービスでも行動ベースで分析をすることで、実際には会社に大きく貢献をしているということもあります。どのサービス、どういう打ち手、どのコンテンツがその後のビジネスにおいて貢献していたのかというのは、調査の難易度が高く、企業側も追跡を放棄していた部分でもありました。

 

だからこそ、把握することができれば、ライバルよりも先を進むことができるようになるのです。


まとめ

この記事では、「顧客分析をして満足?それじゃ二流です。」という内容について紹介しました。顧客を分析してそこで止まっていては意味がありません。顧客を「知る」、そのデータを基に短期的な施策を「打つ」、そして中長期視点で戦略を「企てる」ことが大切です。



お役に立ちましたでしょうか。

それではまた今度。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

次回の記事は『サービスを成長させたいならグロースエンジンを回せ!』です。先輩からグロースエンジンを回せって言われたけど、それって一体なんなんですか?

 

【著者紹介】

安田 一優

岐阜県出身。パソコン販売店店長、ITエンジニア、ITインフラSIerのマーケティングを経て、2020年よりロケーションバリューに営業企画として参画。転職をするたびに職種が変わるという経歴。ロケーションバリューではインサイドセールス、パートナーアライアンス、マーケティングなどを担務。中小企業診断士資格保有。副業でマイクロソフトACCESSの受託開発を行う。