やたら勘と経験で語る上司に教えたいデータドリブン

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こんにちは。安田です。

アプリ開発とデジタルマーケティングを支援するロケーションバリューでB to Bマーケティングをしています。私自身マーケティングリテラシー低めですが、そんな私が初心者マーケターにもわかるように解説していくこのコーナー。

記念すべき第1回では「グロースマーケティングとグロースハック」の違いについて解説しました。

まだ読んでいない人は、この記事を先に読んでいただく方が、理解が深まると思いますので、ぜひ読んでみてください。 

 

そして今回、初心者マーケターにもわかるように安田が解説するコーナー第2回のテーマはこちら。 

やたら勘と経験で語る上司に教えたいデータドリブン

 

Here We Go!

データドリブンとは?

前回のグロースマーケティング、グロースハックときて今回はデータドリブン。

 

カタカナガオオスギテツイテイケナイ。

 

って方にも理解していただけるように解説をしていますので、ぜひ最後まで読んでみて下さい。

まず、データドリブンとは。

顧客に関するありとあらゆる行動データをもとに、顧客を深く理解し、ビジネスに生かす手法です。グロースマーケティングを成功させるために、大切な考え方の一つとなっています。

 

、、、?

 

これまでも売上データやWebのアクセスログを分析してマーケティング施策を実行してきたけれど、それと何が違うの?と感じる方もいることだと思います。そこを理解するためにもデータドリブンが必要な理由を説明します。

何でデータドリブンは必要なのか?

皆さん、マーケティングをやられていれば、今までに一度は上司から広告やカタログ等の制作物の修正、作り直しを指示されたことがあるでしょう。

 

『ここは文字をもっと大きく』

『色は赤の方が目立つ』

『なんかセンスないんだよなぁ』

など。

変更の理由が明確ならまだ良いのですが、上司の好みで言われてるだけなんじゃない?と思った経験は誰しもあるはず。

また、マーケティング施策としてキャンペーンを企画した際にも、

 

『俺が若いころはこういう施策で大きな実績をたたき出したんだ』

『ユーザーが求めているのはこちらに決まっている』

『お前は顧客の声を聞いていない』

と上司の勘と経験の範囲内に企画を修正されてしまうことも多いでしょう。

 

しかし、今はそんな勘と経験に頼っている時代じゃないんです。

 

皆さんご存じの通り、ユーザーの趣味嗜好は多様化し、ニーズの変化の速度は早く、これまでの延長線上での予測が困難です。

これまでデータ収集の世界では、市場で何が起こっているのかということをハガキなどのアンケート調査などで推し量っていたんですが、これは限定データでしかなく、本当の意味での顧客ニーズを捉えきれているとは言えないのです。

また、現代では大量のデータ処理インフラが整っています。

顧客の全ての行動がデータ化されてトラッキングすることが可能なため、それらを駆使し「来店」「購買」「サイト来訪」「アプリ使用」といった顧客の多岐にわたる行動、いわゆる全量データを解析できる環境が整っているのです。

GoogleやAmazonがどれだけのデータを解析してプロダクトの改善やマーケティングの施策を打っているか知っていますか。

そもそも、前述したような非合理的で非生産的なコミュニケーションをやめたいと思いませんか。

そのためには、上司も部下もデータをもとに会話する、データドリブンが必要なのです。

データドリブンの成功事例 

ここまでで「データドリブンとは何か」、「データドリブンが何で必要なのか」について理解していただけたかと思います。

「データドリブン」が浸透すれば、上司からの不合理な指示が減ります!やったー。

ここからは実際にデータドリブンを成功させた事例を紹介します。何事も実際の例を基に落とし込むことでより理解が深まりますよね。

それではまず、動画配信サービスで有名なNETFLIXの事例を見ていきましょう。

データドリブン成功事例:NETFLIX

NETFLIXは2018年5月24日に、業界王者であったウォルト·ディズニー·カンパニー、コムキャストを株価の時価総額で追い抜き、アメリカ最大のメディア企業となりました。

その当時NETFLIXは創業から10年にも満たない新参者企業でした。

 

この大飛躍の影には「データドリブン」をやり抜いたという事実があったのです。

 

同社はあるユーザーがNETFLIXを起動し、動画を見たり、検索したりという行動を瞬時に観察し、そのユーザーにあった提案を促すようにしました。

具体的には、Aという動画を見た人には「次にBという映画をどうですか?」と提案します。

また、シリーズものの動画の視聴を途中で中断している人には「続きはどうですか?」とリマインドのプッシュメールを送るなどの施策を、高速に繰り返すことで、顧客のエンゲージメントを高めることに成功しました。

NETFLIXを利用したことがある方でしたら、「あー、あれのことだったのか」となっているのではないでしょうか。

筆者もシリーズものの動画をよく見るのですが、長すぎたり飽きてしまったりして途中でストップしてしまうことが頻繁にあります。しかしそこでプッシュされるとなんだか「もう一回見てみよう」という気持ちにさせられ、また見始める経験があり、とても納得しました。

 

すいません。ついつい自分語りをしてしまいました。

話を戻しますね。

 

同社は顧客分析を行い、行動を把握し、瞬時に改善を行うことで、常に顧客を飽きさせない、顧客を満足させるサービスを提供することができるようになったのです。

自分のニーズを満たし、満足させてくれるサービスがあれば、もちろん常に使い続けたくなってしまいますよね。

このように、データドリブンの考え方を基に、顧客の行動を把握することで消費者行動を理解することが大切なのです。

データドリブン成功事例:フェンダー 

次は、ギターの製造販売を行う会社で、アメリカではギブソン社などと並んで、世界でも屈指の企業として認知されているフェンダー社の事例を紹介します。

フェンダー社は、2020年9月時点で前年より4割増で、過去最高のセールスを記録しているそうです。このまま推移すれば、2020年の売上高は過去最高の10億ドル(約1千億円)台代に達する見通しとのことです。

コロナ禍で、自宅で気軽に楽しめるギターを手に取る人が増えたことはなんとなく想像できますね。

まぁ、私は全く楽器弾けませんが。

 

ですが実は、このフェンダー社の飛躍には、別の理由があったのです。

 

フェンダー社とギブソン社。世界屈指のギターブランド2社を比較してフェンダー社飛躍の理由を説明していきます。

ギブソン社は結論として、ギター市場縮小に伴い2018年に多額の借金を抱え、破産申告をしてしまいます。

破産申告をしなければいけなくなった大きな理由は「モノを売る」にこだわってしまったという背景がありました。

ギブソン社はフェンダー社よりも半世紀近く古くからある老舗中の老舗のブランドで、多くの一流アーティストも使用しており、世界中に愛好者が存在します。

ところが、市場縮小により2012年頃からオンキヨー、ティアックなどの音楽機器メーカーを買収するなどし、総合音楽メーカーとして、ギター以外の部分に活路を見出そうと取り組んでいました。

既存のファンを中心に周辺機器の拡大を目指そうとした戦略は間違いではなかったかもしれませんが、「モノを売る」にこだわってしまい、業績は好転せず、2017年には過去10年エレキギターの販売市場が3分の2に急激に縮小し、赤字に転落。

そして翌年の2018年に破産申告をしてしまうことになりました。

「モノを売る」ことへのこだわりが、結果として破産にまで追い込んでしまったのです。

これは結果論にしか過ぎませんが、データドリブンの考え方を知っていて、行動に移すことができていれば破産申告をしなくてもよかったかもしれません。

 

一方のフェンダー社もギター市場が縮小をしていたことから、困難な状況にあることはギブソン社と変わりませんでした。そこで、同社は顧客データに立ち返り、分析を進めることを決断。

 

すると、下記のような事実を発見したのです。

  1. ギターユーザーの50%が女性である。その女性たちはアコースティックギターを買う傾向にあり、しかも、楽器店ではなくオンラインで購入している
  2. フェンダー·ギターの購入者のうち45%は初心者である
  3. その初心者のうち、90%の人は1年以内もしくは90日以内でギターをやめてしまっている
  4. ギターを購入した人はその4倍をレッスン料につぎ込む。レッスンは、プラーベートレッスンのようなリアルではなく、オンラインで受けている
  5. 初心者の中で、脱落しなかった10%の人は一生ギターを弾き続ける

多くの新規顧客を維持できずにいる現状があり、市場も縮小気味。

それでも、これらの顧客購入者層をサポートし、離脱を防ぐだけでも業績回復は十分可能性があることを見出しました。

しかも、顧客データ分析によって見つけ出したのは業績回復の可能性だけではありませんでした。

オンラインでのレッスンがもっとユーザーに受け入れられる可能性があることも、発見することができたのです。

そこで「挫折させない」というコンセプトのもと、2017年に「Fender Play」というサービスをリリースしました。

このアプリは、月額数千円のレッスン料で、動画でギターのレッスンをいつでも、どこでも学習できるEラーニングサービスです。

以降も、初心者でも直感的にチューニングができる「Fender Tune」、弾きたい曲のコード進行が手軽にわかる「Fender Songs」というモバイルアプリケーションをリリースし、顧客とのコミュニケーションを維持する仕組みを考えています。

 

これらのアプリサービスも、顧客データを分析したことで見えたものでした。

 

データドリブンの考え方を基に、顧客分析をし、行動を理解することで縮小気味にあった市場でも大きく飛躍することに成功したのです。

「体験を売る」ことで顧客とのタッチポイントを持ち続け、さらに行動データを起点にしてサービスのブラッシュアップをするという点は、グロースマーケティングが目指す姿の代表例と言えるでしょう。

まとめ

ということで今回は「やたら勘と経験で語る上司に教えたいデータドリブン」として、世界屈指の動画配信サービスを提供するNETFLIX、縮小気味のギター市場で、見事に飛躍を成し遂げたフェンダーの2社を紹介しました。

データドリブンとは、顧客の全量データを分析し、分析結果を基にビジネスに生かそうということで、ビジネスをグロースさせるために大切な考え方です。

 

お役に立ちましたでしょうか。

それではまた今度。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

次回のテーマは『知ったかぶりして語れるオムニチャネルとOMOの違い』です。この2つの言葉の違いを正しく話せる人は少ないのでは?

【著者紹介】

安田 一優

岐阜県出身。パソコン販売店店長、ITエンジニア、ITインフラSIerのマーケティングを経て、2020年よりロケーションバリューに営業企画として参画。転職をするたびに職種が変わるという経歴。ロケーションバリューではインサイドセールス、パートナーアライアンス、マーケティングなどを担務。中小企業診断士資格保有。副業でマイクロソフトACCESSの受託開発を行う。