グロースハックの基本

Growth Hack
昨今は一般的なメディアなどでも目にする機会の増えてきた「グロースハック」という言葉。しかし、おぼろげに捉えたままで「実はどういう事かあまり理解できていない」という方も多いのではないでしょうか?この記事では、従来のマーケティングとの比較などを交えてグロースハックの基本についてご紹介します。

グロースハックとは?

従来のマーケティング手法とグロースハックの違いを端的に言い表すと、「製品本位」と「顧客本位」の差となります。

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従来のマーケティングは、開発した製品の(提供側が考える)価値を、主に広告を使って顧客に訴求するのが中心でした。モデルチェンジなど一定の期間を経るまでは原則として製品自体には手が加えられないので、「提供したものをそのまま使っていただく」という、一歩間違うと供給側のエゴに陥りかねない危険性も内在しています。

一方、グロースマーケティングは、顧客の行動を解析して理解することが全ての始まり。顧客行動に潜む本当のニーズを組みながら、製品を常に変化させて最適化します。製品はリリースした時点がゴールではなく、製品自体に成長の仕組みが組み込まれた「動的な存在」と言うことができます。

グロースハックの歴史

グロースハックという言葉は、2010年にアメリカの投資家Sean Ellisが自身のブログで「Growth Hacker」の語を使ったことに端を発すると言われます。

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2013年には日本でもGrowth Hack JapanのWebサイトが開設、2014年にはRyan Holidayの書籍「Growth Hack Marketing」が発売されるなど、着実な広がりを遂げて来ました。本稿執筆時点で「既に10年の歴史がある」とも言えますし、日本においては浸透しておらず、率先して取り組むべき若い概念とも言えるでしょう。

メディアと広告の変化

グロースハックの必要性を語る上では「広告」「人々」「テクノロジー」という3つの要素の変化が大きなポイントになります。

まずは「広告」の分野。なんと言ってもインターネット、及びスマートフォンの普及と成熟の影響はあまりに大きく、広告媒体としても最重要な存在になりました。 

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 それと反比例するように、テレビやラジオ、新聞や雑誌といった従来メディアの広告は、コストが上がりながら効果が下がり続けるという状況に陥っています。特にテレビは「リアルタイムに観るもの」から、録画によって(CMを飛ばしながら)自由な時間に観たり、そもそもネット上の動画メディアに取って代わられたりなど、激流とも言える変化の途上にあります。

メディアと広告の変化は、それを受ける「人々」自体の変化にも直結します。こちらもインターネットの存在が大きく影響しており、一方的に与えられた情報を享受するだけでなく、SNSを使って「自ら発信する」ことが当たり前になっています。

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 例えば、それまでプロの料理人だけが使う特殊なアイテムだった「コックシューズ」は、優れた防水性能が雨の日の普段履きとしても有用であることがSNSの口コミで広まり、製品の開発時点ではまったく想定外の利用が広まりました。

テクノロジーの変化

また、「テクノロジーの変化」により、製品開発もより市場実態に合わせた形態が可能となり必須となります。従来は開発→供給の流れが一方通行の「ウォーターフォール型」が主流だったのが、常に機敏で細やかな市場対応を行う「アジャイル型」へと移っています。 

f:id:growthmarketing:20201007170026p:plain 実際に商品のライフサイクルが短命化しております。1980年代には3年超のライフサイクルを持つ製品が76%だったのに対し、2000年代には25%にまで減少しています。最新の状況を反映させれば、この数値は間違いなくさらに短くなるでしょう。想定していた顧客ニーズは多様に変化し、製品のゴールを決めて開発するウォータフォール型の開発では対応が困難になっております。

世界のグロースハック

グロースハックは、世界の名だたる企業での積極導入が進んでいます。

グロースハック代表的企業

 注目すべきは、DropboxやFacebookといったIT企業だけでなく、実店舗が中心の小売業であるウォルマートなども代表的な企業として挙げられる点。グロースハックはインターネット上だけの存在ではなく、今やリアルの場でも大きな存在感を放っているのです。

グロースハックは決して「魔法のような」手法ではなく、地道な積み重ねがものを言う分野です。A/Bテストや、それに基づく改善を多数行うことで、製品やサービスがより市場実態、顧客のニーズに沿った形へと研ぎ澄まされて行きます。下記のように、名だたる企業も年間1,000回以上、時には年間10,000回を超える施策を行っています。 

(参考)グロース企業における学習回数

https://note.com/amplitude より引用

 

グロースハックで最も重要なこと

グロースハックで最も重要なのは、開発やマーケティングといった部門の壁を超えたチームプレイと、着実なトライ&エラーの積み重ねです。

当ブログでは、今後もそうした施策に役立つ情報をご提供して参りますので、ぜひ小まめにチェックなさってください。

 

関連リンク

【Growth Demo Vol.1】グロースハックとグロースエンジン 動画で解説を見る

【Growth Demo Vol.2】グロースハックの真髄 動画で解説を見る

【Growth Demo Vol.3】グロースハックフレームワーク 動画で解説を見る

 

【著者紹介】

橋川 貴諾

損害保険会社の法人営業にて、企業の経営層の課題から現場レベルまで、あらゆるリスク解決のため保険商品の枠を超えたソリューション提供を担当。 ロケーションバリューへ入社後、アプリの開発・公開だけでなく、データを活用したアプリ利用状況把握・アプリKGI/KPIの策定等、一気通貫して企業をサポート。現在は、統合的なデジタルマーケティングソリューションの提供、企業のグロースを支援。