日本企業におけるDX推進のための課題と解決策

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「2025年の壁」問題として経済産業省が警鐘を鳴らし、日本企業の多くが今現在DX(デジタルトランスフォーメーション)実施に取り組んでいます。しかし、現状として進めていく中で、いくつもの課題が存在し、なかなか成果を出せている企業は多くありません。

そこで今回の記事では、日本企業がDXを推進する中で抱えている課題と解決策について紹介します。

DXを進める中で日本企業の多くが抱えている課題は以下です。

  • IT投資に資金・人材を振り向けられていない(人材不足)
  • 既存ITシステムの老朽化
  • 技術的負債
  • 部門間での壁

解決策として紹介するのは下記の5つです。

  • 社内全体での改革
  • 部門を超えた組織作り
  • レガシーシステムの刷新
  • 専門家と連携
  • ビジネスグロースのためのDX

上記課題、解決策について詳しく解説しますので、DXを取り入れようと考えている、課題が多くて思うように進めれていない方はぜひ参考にしてみて下さい。

後れをとる日本企業のDX(デジタルトランスフォーメーション

経済産業省が警鐘を鳴らし、日本企業はDXを急速に進めようとしています。しかし現状として日本のデジタル化は後れをとっており、IMD(国際経営開発研究所)が発表した「世界デジタル競争ランキング*1」において、日本は63カ国中23位に位置し、アジア勢の中でも大きく差をつけられています。))1位はアメリカ、2位はシンガポール、3位にはスウェーデンがランクインしています。アジア圏では香港が8位、韓国は10位、台湾は13位で前年よりも3位も順位を上げています。

日本のDXが後れをとっている理由としては、この記事で紹介するシステムの老朽化などの課題があるのです。

さらに今回のコロナ対策においても、給付金配布等の制度を打ち出しましたが、オンラインでの手続きがスムーズに機能せず、日本のデジタル化の遅れが露呈しました。

日本企業におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)推進のための課題

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多くの企業がDX推進において行き詰まっており、なかなか進めることが出来ていません。主な課題として、上記で言及した①IT投資に資金・人材を振り向けられていない、②既存ITシステムの老朽化、③技術的負債、④部門間での壁の4つがあります。

それぞれ詳しく紹介します。

IT投資に資金・人材を振り向けられていない

日本では守りのIT投資が行われており、IT投資に資金、人材が振り向けられていないという課題があります。守りの投資とは、業務効率化・コスト削減のためのサプライチェーン業務を対象とした資本・人的投資を意味しています。現状としてIT関連費用の80%は現行システムの維持管理に使用されています。

一方、IT先進国とされるアメリカではITによる製品・サービス開発やITによる顧客行動・市場の分析強化といったバリューチェーン業務が投資対象となっています。これを「攻めのIT投資」と呼び、コスト削減ではなく、売り上げ増を目的としています。*2

既存ITシステムの老朽化

攻めのIT投資を行おうとしても、既存システムが問題なく稼働しているため、なかなか新たなシステム、技術へ移行する決断を下せていない企業がたくさんあります。さらに、実際に売り上げ拡大のための新システムを導入したとしても、初年度から投資に見合った利益を出すことは非常に困難で、しばらくの間は投資回収できるまで我慢をしなければならないことも少なくありません。

費用対効果がなかなか見えづらいからこそ、守りの姿勢に入ってしまい、攻めのIT投資、つまりDXがなかなか進んでいないという課題があります。

技術的負債

経済産業省は技術的負債を以下のように定義しています。

短期的な観点でシステムを開発し、結果として長期できに保守費や運用費が高騰している状態のことを指す。本来不要だった運用保守費を払い続けることを、一種の負債と捉えている。*3

サーバOSのサポート切れなどのタイミングでシステムの更改を検討するものの、イニシャルコストが高いため抜本的な見直しを先送りし、延命措置でシステムを稼働させるということはよくあります。しかし、結果的に運用・保守費用の高騰や、システムを利用する社員に不要な業務的負荷をかけ、人的コストを浪費しているケースもあります。

部門間での壁

企業内の事業部ごとに最適化されたシステムを利用していて、いざ社内全体で最適化を試みると各事業部のシステムごとにそれぞれ差があり、全体として進んでいる方向がばらばら、各々が孤立して稼働してしまっていてなかなか進まないというケースがあります。

日本企業におけるDX推進の課題への解決策5選

上記で挙げたDX推進において日本企業が現在直面している課題の解決策として①社内全体での改革、②部門を超えた組織作り、③レガシーシステムの刷新、④専門家と連携、⑤ビジネスグロースのためのDXの5つを紹介します。

社内全体での改革

DX推進は、経営層が号令をかけ、社内全体を巻き込んで行うことが大切です。特に中小企業などは経営層の判断に事業内容が大きく左右されますので、自ら関心を持ち、企業全体でシステム運用の見直しを行うことが大切です。

経済産業省はDXを進める上で、経営戦略が大きな役割を果たすとしています。新しい技術が次から次へと登場する中で、どの技術を用いて、ビジネスをどのように改革していくかを明確にする必要があるのです。戦略があることで、一貫性を持った改革も行えるようになります。

部門を超えた組織作り

部門を超えて組織を構築することで一貫性を持った、無駄のない開発、DXを実施することが可能です。部門間で情報を共有し、社内全体でデータを管理し、社員一人一人がデータを有効に活用できるようにします。必要に応じてシステムやAIを導入することで、より効率的にデータプラットフォームを構築することが可能です。

これをデータの民主化といい、グロースマーケティングを実施する上でとても大切です。社員全員がデータにアクセスし、活用できるこ環境を整えることはDXを進める上で最も基礎的で、重要な役割を果たしています。

 

データの民主化についてはこちらの記事もご覧ください。

blog.growth-marketing.jp

レガシーシステムの刷新

既存のシステムに頼らない技術改革を積極的に行うことが重要です。守りの姿勢だけでは今後ビジネスを存続することが困難になってしまいます。技術的負債を見直さなければ、本来収益になり得る資金が負債となり、利益を大幅に下げてしまします。

ビジネスを行う上で「社会的貢献」「利益を出す」ことが重要ですが、レガシーシステムを使用し続けることで、利益は最大化できず、さらにDXを効果的に実施できないことで顧客体験を向上させることができず本末転倒になってしまいます。

本来のビジネスが意味するものを追求するためにも、攻めの姿勢で経営することが必須となってきます。

専門家と連携する

DXに精通したベンダーとの伴走を検討し、専門家とも連携を図りましょう。しかし、ベンダーや専門家に丸投げをしてしまうのではなく、共に考え進んでいくことが大事です。全てを丸投げしてしまうと、適切な引き継ぎが行われずにシステムがブラックボックス化してしまうこともあるのです。

また、社内エンジニアが心地よく開発・保守できる環境を構築することでベンダーに頼らずともDXを促進することができます。これを開発者体験(DX: Developer Experience)と呼び、メルカリやヤフーのようなDX先進企業ではこれを「二つのDX」*4というビジョンとして、改善に取り組んでいます。

ビジネスグロースのためのDX

「DXを実施しなければいけない」と考え取り組んでいると、DXが目的となってしまい、本来のDXの意味するものから遠ざかってしまいます。DXはデジタルを用い、人々の生活を豊かにすることが目的で、あくまでもビジネスをグロースさせる手段です。ビジネスを大きくするために何をすべきかを考え、そこにDXを取り込むという姿勢が大切です。グロースマーケティングを実施する手法として、DXに取り組みましょう。

まとめ

日本はデジタル化において世界に後れをとっています。日本企業のDX推進が出遅れている理由としては、システムの老朽化や技術的負債といったものが挙げられています。これらの課題を解決するために、部門を超えた組織作りや、DXを「ビジネスをグロースさせるための手法」として認識することが大切です。

 

【著者紹介】

グロースマーケティング編集部

編集部やスタッフが、プロダクトのデータ解析や継続率改善など、
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