顧客分析により、優れたプロダクトを構築する 4 つの方法

顧客分析により、優れたプロダクトを構築する 4 つの方法

本記事はAmplitude社より許諾を得て株式会社ロケーションバリューが翻訳、転載しております。

ユーザーを理解することなく優れたプロダクトを開発することはできません。また、プロダクトデータなくしてユーザーを理解することも不可能です。

そこで役立つのが顧客分析ソフトウェアです。プロダクトが事業をけん引する企業には、データを取捨選択し知見を得るための適切なツールが必要です。最適なソフトウェアを使用すれば、自社のプラットフォームにおいて機能していること、していないことについて、即座にフィードバックを得ることができます。カスタマージャーニーをマッピングし、コホート分析を実行するとともに、新機能が及ぼす影響を測定し、さらに、発見した知見に基づいて行動することができます。

つまりその結果、皆さんの会社は、顧客にとって最高のプロダクトを構築することができるのです。すべてはアナリティクスを生かし、顧客が自社のプロダクトのどこに価値を見出しているのかを把握することから始まります。

1. 行動コホートの作成

顧客分析ソフトウェアは、ユーザーの行動を評価し、行動コホートプラットフォーム上でとる行動により定義されるユーザーのグループ)にセグメント化するのに役立ちます。皆さんの会社のより大きなユーザーベースとコホートを比較することで、高価値の顧客のアクティビティと共通するテーマを発見することができます。次に、プロダクトにおいて、一般的なユーザーが、高価値ユーザーと同様のアクションを実行してコンバージョンに至るよう、促します。

瞑想アプリの「Calm(カーム)」は行動コホート分析を使用し、ユーザーのリテンションを 3 倍に拡大しました。同社は、日次のリマインダー機能を使用している 1% のユーザーのエンゲージメントが極めて高いことに気づいたのです。しかし、リマインダーの設定を行うことがパワーユーザーであることを示すのか、あるいはリマインダー設定という行動がユーザーをパワーユーザーへと変えたのか、理解できてはいませんでした。

「Calm(カーム)」は行動コホート分析を使用し、ユーザーのリテンションを 3 倍に拡大することができる機能を特定

「Calm(カーム)」は行動コホート分析を使用し、ユーザーのリテンションを 3 倍に拡大することができる機能を特定

事実を追求するため、「Calm(カーム)」のプロダクト・チームは、日次のリマインダー機能を新規ユーザーのサブセットに対し、より目に留まるように表示する検証を展開。Calm 社は、日次リマインダーを設定した新規ユーザーも、エンゲージメントが向上したことを把握しました。結果、同社は日次のリマインダー機能の表示をいっそう際立たせ、全ユーザーが気づくよう図りました。

2. リテンションの改善

リテンションを測定するにあたり、考慮すべき 2 つの要素があります。

  • 重要なイベント:ユーザーに実行してもらいたい、もっとも重要なアクション。このアクションは、会社の目標と整合性があり、かつ、顧客に価値を提供するものであるべきです。
    重要なイベントは各企業に固有のものであり、反復して実行されるものもあります。たとえば、デジタル・ミュージックストアでは、重要なイベントは「初めての購入」のみならず、楽曲の複数回の購入となるでしょう。
  • 使用間隔:ユーザーに重要なアクションを完了してもらうべき期間。

皆さんにとって望ましい期間内にユーザーが重要なイベントを実行することを促す手段はすべて、リテンション率を高め、解約を抑えるために役立ちます。しかし、その重要なイベントを目前に、ユーザーが先に進むことを諦めてしまう原因を理解するには、分析が必要です。

顧客分析ソフトウェアを使用することで、ユーザーが重大なイベントに至るまでに踏んだ手順を確認し、ユーザーがファネルを進むことを阻む原因を明らかにすることが可能です。

オンライン英語学習のABA Englishは、ユーザーが同社のオンライン・アカデミーに登録した直後に離脱する原因を、ファネル分析と行動コホートを活用して追求しました。同社の目標は、ユーザーが学習コースを問題なく完了し、サブスクリプションを更新することです。同社はユーザーが、初回のサブスクリプション期間中にプラットフォームから離脱した理由を突き詰めました。

データを確認した同社は、ユーザーのオンボーディング・プロセスに問題があることを把握しました。ユーザーは往々にして自身の経験値に合わないレベルのコースに登録しており、いら立ちを感じていたのです。ABA English 社のプロダクト・チームはオンボーディング・プロセスを刷新し、ユーザーがニーズに応じた最適なコースを選択できるよう、レベル確認テストを新たに追加しました。

ABA English はレベル確認テストをオンボーディング・プロセスに追加し、リテンションを向上

ABA English はレベル確認テストをオンボーディング・プロセスに追加し、リテンションを向上

ABA English 社のチームは、ファネル分析を生かしてプロダクト変更を行いましたが、さらに改善を図りました。新たなオンボーディング・プロセスが良い結果につながっていることを検証するため、Amplitude でリテンション・チャートを作成。同チャートは、オンボーディング・プロセスの障壁を取り除いたことにより、最初の単位を取得したユーザーの割合が 2 倍に拡大したことを証明したのです。これは ABA English にとって、長期的なリテンションの重要指標のひとつです。

3. エンゲージメントの向上

オンボーディング中のユーザーのリテンションを確保するのは難しいことです。しかし、プロダクト・マネージャーの皆さんは、ユーザーが重要なイベントを完了したというだけで、ご自身の業務が完了するわけではないことをご存じでしょう。プロダクトが常に最新であり、ユーザーにとって魅力的であるよう図り、ユーザーが皆さんのプラットフォームに価値を見出せるようにする必要があるのです。

分析ソフトウェアを活用すれば、カスタマーエクスペリエンスを最適化する方法を特定することができます。ツールを使用し、カスタマージャーニー全般において、ユーザーを「高価値ユーザー」に変えるマイルストーン(節目)を特定しましょう。顧客分析ソフトウェアは、高価値ユーザーのアクション(および、その頻度)を明らかにすることが可能です。こうした情報を生かし、他のユーザーが、高価値ユーザーと同様の行動をとるよう促すことが可能なのです。

マイクロソフト社は、A / B テストを繰り返し行い、完璧なエンゲージメント戦略を策定しました。結果、同社のプロダクトでユーザーが費やす時間を 4 倍に拡大することができました。Office 360 において新プロダクト群をリリースした後、同社はこれらツールのエンゲージメントの水準が、それぞれ多岐にわたることに気づきました。ツール群全体で高いエンゲージメントを達成するべく、同社はユーザーがより容易にタスクを完了できる機能の変更を、複数、テストしました。そのタスクとは、業務に集中するためカレンダーで時間を設定するというような、リテンション向上につながるものです。

4. 新機能の開発

プロダクトとは、全体としてユーザーとともに進化するべきものです。さもなければ、いずれ停滞した状態に陥ってしまいます。プロダクト分析ソフトウェアで得た定量的データを、収集すべき定性的データ(顧客のフィードバックなど)に適用することが必要です。

たとえば、適切なソフトウェアを用いれば、ユーザーがサイト検索を行ったり、プロダクトをカスタマイズする方法を分析したりすることが可能です。この情報をもとに、リリースする可能性のある機能についてブレインストーミングを行い、フル展開する前にテストを実行することもできます。

金融エコシステムを提供する Daveは、プロダクト分析を使用し、新たにリリースするプロダクトを特定しました。同社は、当座貸越の手数料を回避するため(給与などの)前払いを行った顧客が、もっとも価値の高いユーザーであることを理解していました。同社のプロダクト・チームは、このユーザー層は、新たに提供する当座預金口座にも関心があると考えていました。

この案を検証するべく、同社のチームは新たに提供する可能性のある新プロダクトのプレビューを、このユーザー層に提示。Dave 社では、プレビューを見たユーザーのうち、50% が新たな当座預金口座に高い関心を示していることが分かりました。

新機能に関する実験 (左:実験の第 1 ステップ/右:実験の第 2 ステップ)

新機能に関する実験 (左:実験の第 1 ステップ/右:実験の第 2 ステップ)

同社は、さらに多数のテストを行い、当座預金口座というプロダクトで提供し得る機能について検討しました。たとえば、給与前払いの上限や、口座残高がマイナスになった際の手数料課金なし、などに関する機能です。ある機能は、他の複数の機能に比べ、2.5 倍、ユーザーに好まれました。この知見をベースに、Dave 社のチームは情報に基づき、また、データに裏付けられた観点から、当座預金のプロダクトを構築することができたのです。

顧客分析ソフトウェアを活用し、価値あるプロダクトを創造

顧客分析ソフトウェアで得たデータをプロダクト開発に適用することにより、明確なロードマップが得られます。新機能のリリースからオンボーディングの改善まで、皆さんの顧客にとって、いっそう多くの価値を創出することができます。

ソフトウェアを活用することで、顧客をさらに深く理解し、ひいては顧客が何度も繰り返しアクセスしたくなるプロダクトを構築することが可能になるのです。

 

本記事はAmplitude社より許諾を得て株式会社ロケーションバリューが翻訳、転載しております。
-----------------------------------------------------------------------------------
公開日:09/09/20
キャロリン・フェイブルマン(Carolyn Feibleman)

Amplitude のシニア・ソリューションズ・コンサルタント。プロダクト分析戦略および実行について、顧客に助言を提供。

 

引用元:Amplitude社ブログ

【著者紹介】

グロースマーケティング編集部

編集部やスタッフが、プロダクトのデータ解析や継続率改善など、
自社サービスのグロース戦略に役立つ情報をお届けしています。