Braze|マーケターとITが紡ぐグロース戦略を支援

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グロースマーケティングの施策実行に、なくてはならないのがエンゲージメントツール。
今回はBrazeさんに具体的な活用事例などをお伺いしました。

貴社の事業内容を教えてください

 Brazeは、"ブランドと人をBraze(融合)する”というコンセプトで、企業内外の様々なデータと連携し、顧客一人ひとりに最適化したブランド体験をリアルタイムで提供し、企業の成長を支援するCustomer Engagement Platform(CEP)です。企業のグロース戦略を支え、新たな価値体験の創造と収益の向上の推進支援を目指しています。従来にない消費者とのリアルタイムコミュニケーションを実現します。

 もともとモバイルアプリに最適なエンゲージメントの仕組みを構築をするというプログラムを開発していましたが、2015年頃からのコミュニケーションチャネルの多様化とスマートデバイスの爆発的普及を考慮し、モバイルアプリをはじめ、スマートデバイスの領域にまで視野を広げ、クラウドベースのカスタマーエンゲージメントプラットフォームとしての機能を拡充しています。

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 国内でも数社、海外ではもう1,000社以上(2020年12月時点)のクライアントに導入いただいております。実際、2020年のブラックフライデーの時期に44億4000万件以上、サイバーマンデーには44億6000万件以上のアプリやメールやプッシュ通知などのメッセージをBrazeで送信。2020年それを99.998%、ほぼ100%の稼働で、1回もダウンタイムがなかったというのは、私たちのソリューションが強固なものであるという証拠にもなると思います。このようにBrazeは、実は非常にテクノロジーが強固で、かつ、先進的なテクノロジーを多く採用している企業なのですが、その一方で、実はミッションステートメントは全くテクノロジーとかけ離れていて、『Human Connection』という、日本語でいうと、『人と人との心触れ合うつながり』を重視している会社です。

 マーケティングオートメーションやメッセージングの世界では、無機質なメッセージが結構多いものです。例えば、ある商品を買った人には『この商品も買いませんか?』というようなメールが送られてくることがありますが、そういったリコメンデーションの中で、ときどきおかしなものもあります。私も先日、いきなり南京錠をお勧めされて(笑)。直前に買ったのは本やCDなどだったので、不思議に思いました。そういうおかしなリコメンドが突発的に現れると、『この人たち、何を考えてこれを送ってくるんだろう?』と、違和感が残るわけですよね。そうした違和感やストレスは、お客さんとブランドの間でコミュニケーションの破壊しか起こさないでしょう。

 いかなるテクノロジーの環境であっても、やっぱり人と人との心が触れ合うようなつながりを持たないと記憶に残る体験は起こせないし、消費者に対してよいインパクトを残せない。なので、私どもは、テクノロジーベンダーでありながら、こうした人の気持ちを大事にしています。

人と人との心が触れ合うようなつながりのためには何が重要なのでしょうか

 心の触れ合うつながりという点で大事なものは、『リアルタイム』だと私たちは思っています。リアルタイムでお客様のペルソナをキャッチして、スマートデバイスを含めた様々なチャネルでエンゲージメントしていくというのが私たちのソリューションの醍醐味になっています。

 なぜリアルタイムかというと、シンプルな話で、リアルタイムで消費者の今という瞬間を理解することが、消費者心理を理解する非常に重要なポイントだからです。現在、企業で行っているエンゲージメント手法の多くが、過去のデータを分析してオファーやリコメンデーションを出すことに終止しています。私達はこれを「過去思考型」と呼んでいます。しかし、今の時代において消費者の趣味や関心は秒単位やロケーション単位で変化するわけであり、まさにこの瞬間(今) を理解して「未来志向型の新しい価値体験」を消費者に提供しなければならない時代だと思います。またエンゲージメントでもう一つ大事なポイントは、消費者のその瞬間を理解して、エンゲージメントすべきタイミングか、もしくはエンゲージメントしない方がよいかを判断することでもあります。かならずしも常にエンゲージメントすることが正しいわけではないので、そこは消費者の属性情報を理解しながら適切に判断していく必要があります。だからこそリアルタイムが大事になると思っています。

 そのため、私たちはどこまで行ってもこの『リアルタイム』というキーワードにこだわっています。そしてこのリアルタイムには2つの意味が含まれていて、エンゲージメントのための、(1)リアルタイムでのメッセージ配信、そして(2)リアルタイムでのパーソナライゼーションです。この2つのリアルタイムを実現することで、お客様の心情に寄り添うエンゲージメントを支援しています。

Brazeの特長を教えてください

 Brazeの仕組みが旧来のエンゲージメントツールと何が違うかというと、リアルタイムを重視しており、発生したデータを、いわば川の流れのように処理をし、分析し、それを元にメッセージをパーソナライズ、最適化し、配信するアーキテクチャを採用している点です。『ストリーミングプロセッシング』と呼んでいます。

 これはもう圧倒的に未来思考なエンゲージメントを実現できるアーキテクチャで、過去に振り返るのではなく、今何が起こっているから将来何が起こるであろう、だからそこに対してブランドはどういったメッセージを出すべきである、ということを1個1個予測しながらアクションすることに優れています。

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 従来のマーケティングテクノロジーのアーキテクチャでは、お客様のデジタル上でのアクションをデータを取り込む作業、分析する作業、セグメント化する作業、パーソナライズされたメッセージを作る作業、配信する作業、それぞれが分断されていました。結果としてお客様の瞬間を捉えた本当に洗練されたエンゲージメントができておらず、逆にフラストレーションを与えることも多かったのです。これがお客様のロイヤリティを失う元凶にもなっていたわけです。私達はBrazeのリアルタイム性でこういったクライアントさんの課題を解決し、未来志向型の価値体験を一緒に描けるようご提案して参りたいと思っています。

 これらを実現するために、『テクノロジースタック』と呼んでいるテクノロジーのコアコンポーネントをBrazeのソリューションの中に持っていて、それが5つのレイヤーに分かれています。『データ取込み』『セグメンテーション』『オーケストレーション』『パーソナライゼーション』『アクション』です。最後に、チャネルを選んでデータの配信をします。モバイル、アプリがライフスタイルの中心にある中で、リアルタイム性を担保し、一人ひとりコンテクストにあったメッセージを送れないことはブランドへの期待値を下げかねません。

 私たちは、もともと取り込まれたデータが即座に分類されて、セグメントが切られて、かつ最適化されたタイミングを見計らってパーソナライゼーションされたメッセージを配信する一連の流れを、データを取り込んだ瞬間にできるようになる、コンマ何秒の世界でお客様にメッセージを配信していただけるような仕組みを持っています。

 

 またエンゲージメント活動の結果、お客様がどういう反応をしたかを吸い上げる機能も持っています。これを『インタラクティブフィードバックループ』といいます。このループにより、お客様のペルソナを常にアップデートし続けることができ、Brazeの中にはライブペルソナ (常に最新化されたペルソナ) を保持し続けられるのです。ブランドが消費者に対して行ったエンゲージメントに対する反応を常にキャッチアップし続けることが、結果、収益につながります。リアクションをキャッチアップしないエンゲージメント活動は一方的な求愛活動に似ていて、消費者のロイヤリティを失ってしまいます。常にお客様の瞬間を捉えた洗練されたエンゲージメントを行っていくために、最新のペルソナを担保してデータのループをつくっています。

導入企業の成功事例を教えてください

 カンヌライオンズ3冠のバーガーキング「Whopper Detour」キャンペーンBrazeを活用したエンゲージメントの非常に良い成功事例の一つです。

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 すこし丁寧に前提をお話すると、バーガーキングさんのような店舗型ビジネスを行われている企業の売上は、「いかに良い立地条件を確保するか」に決まるといって過言ではありません。つまり良い立地を安い価格で確保できれば利益率が多くのぞめますが、立地が悪いと安い価格で借りれても利益は確保できないわけです。立地条件=売り上げという方程式になりたつわけですね。店舗の立地が収益性の良い場所であれば、あとはそこに消費者を誘導する導線を目立つように作ることが大事なわけで、店舗の立地に大きく依存するマーケティング活動になってしまうことが多いです。

 この立地計画依存型から、発想を変えてデジタルとリアルを融合させ『デジタル上にマクドナルド防衛網』をつくりあげたというところが画期的なポイントです。これが奏功して、2019年にカンヌライオンズアワードも獲得されました。この施策のポイントは、やっぱり『リアルタイム』になります。

 彼らはマクドナルドの店舗の半径200mに入ったユーザに、1セント(日本円で1円)クーポンを配布して、マクドナルドにいかないようにさせたわけです。たまたま六本木にいて、左へ行けばマック、右へ行けばバーガーキングというシチュエーションにいる場合なら、1ドルクーポンを配布することはお客様をバーガーキング側にお客さんを向かわせる大きなエンゲージメントになることは想像できると思います。更にお客様属性情報を加えて、お客様の"いま"に最適なエンゲージメントを提供していきました。お昼時間であればよりボリュームを重視した提案を、夕方であれば友達とお茶ができるようなオファーを。こういう事例を聞くと、リアルタイムでのエンゲージメントが、お客様の心象心理に寄り添える大事なポイントであると理解してもらえると思います。

 

 もう一つ大事なポイントはリアルタイムでのパーソナライゼーションです。価値体験を提供するには紋切り刀のメッセージを送るのではなく、お客様の環境や属性によって提供するメッセージを変えることが大事です。登録された属性情報をもとに、独身男性向けのオファーや、家族向けのオファーなどを実現することで、結果として収益に結びやすいエンゲージメントが実現されます。私達のソリューションではアジャイル型でのA/Bテストなどを実現する環境を提供し、エンゲージメントのブラッシュアップを支援しています。

 この事例は、リアルタイムで、お客様の情報をもとにパーソナライゼーションされたメッセージが、リアルタイムにユーザーの手元に配信された大きな成果だと思います。

そして、この施策はマンスリーアクティブユーザーが53.7%増加し、モバイルを通じた売上を過去最高にするという大きな成果を出しました。

 

Braze株式会社
代表取締役社長 菊地 真之氏

15年以上、エンタープライズビジネスアプリケーション分野にてデジタルトランスフォーメーション支援と事業収益の拡大に尽力。2008年にSAPジャパンに入社し事業開発部門を経て、通信・メディア営業本部、戦略顧客営業本部にて営業担当として従事。2014年よりアドビにて、デジタルエクスペリエンス事業本部にて戦略顧客部門の本部長として日本企業のDX推進を支援。2018年からワークデイにて執行役員 営業統括を務めた後、2020年11月よりBraze日本法人代表に就任。

 

次回は続編、「Braze|カスタマーエンゲージメントのその先、グロースへ」をお届けします。

 

【著者紹介】

グロースマーケティング編集部

編集部やスタッフが、プロダクトのデータ解析や継続率改善など、
自社サービスのグロース戦略に役立つ情報をお届けしています。