ウェビナーレポート(前編)公開★Best of Breed Vol.1

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 この記事は、2020年6月3日に開催された「デジタルマーケティング2020の展望」のウェビナーレポート記事です。

 

パネラー

米田匡克(Amplitudeカントリーマネージャー)
大坪直哉(AppsFlyerカントリーマネージャー)
河野恭久(ロケーションバリュー代表取締役社長)

 

モデレーター

 本日は「デジタルマーケティング2020の展望」ということで、モバイルアトリビューション分野でグローバルでの圧倒的ナンバーワンのポジションいらっしゃるAppsFlyer代表の大坪さん。先日の資金調達ラウンドでユニコーン企業になったことを発表されたばかりの、行動分析ツールナンバーワンのAmplitude日本代表の米田さん。そして、企業のオウンドアプリ開発を支援するModule Appsであったり、一気通貫データドリブンマーケティング・グロースマーケティング支援サービスを展開中の弊社代表・河野。この3名で、最新のデジタルマーケティングに関するユーザーの獲得、囲い込み、分析改善、CXなど、顧客体験を良くするビジネス戦略などに関してさまざまな切り口でディスカッションを展開して行ければと思っております。

「誰が本当の貢献者か」を判断する重要性

大坪

 AppsFlyer Japanカントリーマネージャーの大坪です。本日はこのような素晴らしい会に選んで頂き、ありがとうございます。

  まず「FACTFULNESS」という言葉から始めさせていただきます。これは少し前にすごく売れた本で、ハンス・ロスリングさんという方が書きました。この人、実はプレゼンテーションがめちゃくちゃ面白いという事でも有名です。お客さんのほうにお尻向けて、熱中してバブルチャートを動かしなが説明するので、もし良かったらTEDをぜひ見てください。

 なぜ最初にこの本の話をしたかというと、AppsFlyer がやっているビジネスというのは広告効果の計測ツール、英語で「アトリビューション」と言うのですが、アトリビューションはまだまだ日本では知られておらず、ご存じない方も多いと思います。FACTFULNESSは「データに基づいて話しましょう」という事ですが、それに基づき「本当にそうなのか」を知ることができるのがアトリビューションです。

 元々AppsFlyerは、マーケティングのパイオニアであるジョン・ワナメイカーさんの「広告活動に使う費用の半分は無駄だ。しかし困ったことに、どちらの半分が無駄なのかわからない」という言葉に触発されて創業されました。アトリビューションツールというのは「誰が利益をもたらしたのか」「誰に成果報酬を払えばいいのか」を判断するツールになります。

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 アトリビューションツールを使わないと、一つのアプリのインストールに対して複数の支払が発生してしまいます。一方、アトリビューションツールを使うと、誰が最後にクリックしてそのインストールを直接的にもたらしたかが判るので、誰が本当の貢献者か、誰に成果報酬をいくら払えばいいのか判断できます。企業様・広告主様のPLに直接影響を与える、超重要な存在なんですね。

 野球で言うと、AppsFlyerは審判、広告事業を提供しているFacebookやGoogleなどの企業さんがプレイヤーです。プレイヤーは「ホームランを打つ」「三振を取る」といったパフォーマンスを見せなければならない。それをデータに基づいてジャッジしていくのが審判=AppsFlyerの役割です。アトリビューションの中では世界で72%のシェアを持ち、日本でも最も使われている計測ツールになります。

 最近はTOKYO MXの「話題のアプリええじゃないか」という、アプリや色々なサービスを紹介できる番組に講師として出演していますので、もし「うちのサービス紹介して欲しい」というのがあればリクエストしてください。

私の自己紹介は以上です。

「GAFA」も活用するAmplitude

モデレーター

大坪さんありがとうございます。次に、Amplitude代表の米田さんお願い致します。

米田

 はい、よろしくお願い致します。私がいるAmplitudeという会社は、去年日本にやってきました。まだこれから普及という段階ですが、Amplitudeを初めてお聞きになる方も多いと思いますので、どういった会社かを簡単にお話しさせていただけたらと思います。

 Amplitudeは一言で表すと「分析ツール」なんですが、非常に特化している所があります。それは「グロースハック」ができるという点。グロースハックとは「ユーザーの行動分析ができる」という事です。

 多くの分析ツールは、 Web軸・セッション軸で見ており、例えばページビュー、セッション数、セッションの長さなどを見ています。Amplitudeはセッションも見られますが、我々がフォーカスしているのは「ユーザー行動」です。例えば「このユーザーが以前購入したのはいつだったか」とか「カゴに入れて何でここで離脱しているのか」などを見られるのが特徴になります。実はこの「グロースハックで行動分析ができる」というのは他の分析ツールが持っていない特徴でして、もうすでに12,000社でご採用いただいております。日本ではNTTドコモさん、楽天さん、メルカリさんなどでお使い頂いてます。

 皆さん、グロースハックの本などをご覧になってるかと思いますが、実は大抵のグロースハックの会社がAmplitudeを使っているんです。具体的にはtwitter、Paypal、Airbnb、Dropbox、こういった所がAmplitudeを使ってグロースハックを行っています。また「GAFA」の一角であるAmazonさんもAmplitudeを使っています。

 では、具体的にAmplitudeで何ができるのかを、3つほどスペシフィックにお話しさせていただきます。

 まずは「マジックナンバーの検出」。よく「Facebookで10日間に7人と友達になると急にエンゲージメントが上がる」「twitterで30人以上からフォローバックがあるとエンゲージメントが上がる」などと言われています。これ実は、Amplitudeを実際に使っているtwitter さんが我々の「コンパ
ス」と言うチャートを使ってから見つけたんです。こういったマジックナンバーをサクッと見つけられる、というのが一つ大きな所としてあります。

 二つ目が「マルチプラットフォーム」。我々のお客さんで、小売で世界ナンバーワンの売り上げを持つウォルマートさんという会社でもAmplitudeが使われています。何をやっているかというと、マルチプラットフォームおよびOMO(Online Merges with Offline)、オンラインとオフライン両方のデータをAmplitudeに渡し、ユーザー行動分析をやっているんです。

 例えば、ユーザーがウォルマートの店舗に行く前に、もしかしたらアプリやWeb を見て何を買うか考えてから、実際に店舗に行って購入するかもしれません。そこの軌跡を、Amplitudeは全部のプラットホームをまたいで見ることができます。

 あとは「行動ターゲティング」です。例えば広告ですと、デモグラフィックを使って色々なターゲティング、男性なのか女性なのか?年齢層はどのぐらいなのか?どこに住んでいるか?などを見て成果を上げたりしています。Amplitudeはそのデモグラフィックと合わせて「行動」も一緒にターゲティングでき、もっと効果を得ることができます。例えば、コロンビア初のユニコーン企業であるラピ、昨年ソフトバンクが1,000億円を投入したところなんですが、ここも全面的にAmplitudeを使い行動ターゲティングをしています。

 Amplitudeは、こういった特徴・機能を持っています。とりあえず私の自己紹介と、Amplitudeの説明をこちらで一度終わらせていただきます。

相手の期待値を上回り「WOWを作る」

モデレーター

米田さんありがとうございます。では弊社代表、河野の方から紹介をお願いします。

河野

ロケーションバリューの河野と申します。僕個人は、1社目も人材系のベンチャー企業で、なんと東証一部上場まで成長しまして、会社を大きくするというのが非常に楽しいということを感じまして、現在に至ります。会社のビジョンにも設定してるんですけど「WOWを作る」ということを大事にしておりまして、アメージング、ミラクルな事を起こそうというよりは、相手の期待値を少しでもいいから上回ろうというような気持ちで生きています。

 ちょっと会社の方を簡単に紹介させていただきます。創業時は「イマナラ!」という名前で、ユーザーさんの位置情報をベースに周辺のクーポンを表示するようなメディアからスタートしました。実はマネタイズに失敗するんですが、そこから加盟店さんだったお店さんが「イマナラ!と同じようなアプリを自社メディアで欲しいという話が盛り上がって、現在の主力サービスであるもModuleAppsという事業に発展いたしました。

 ここ最近でいうと、今日もご登壇いただいてる米田さんがいらっしゃるAmplitudeと日本総合代理店の契約をさせていただき、かつてModuleAppsでリリースしたアプリの累計ダウンロード数が4,000万ダウンロード突破するというようなことがトピックとして挙げられます。

 では、どんなサービスを提供しているかと言うところに入ってまいります。今後のマーケティングはコンバージョン後のFTUXやLTVを最大化しようというところが基本となってきますが、そのためには会員のデータをインプットし、それをアナライズしてアウトプットするというサイクルを回す必要があります。我々はその中において必要なパーツを提供しており、まずデータを集める所でオウンドメディアとしてのアプリを作り、アナライズする所はAmplitudeを使って行います。アウトプットする所も、我々が人的支援プロフェッサーサービスとして支援をするということをやっております。

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 ロケーションバリューとしては、アプリを作ってユーザーのインサイトに入っていこう、Amplitudeを使ってより詳細にそのデータを見ていてグロースにつなげようとしています。プロダクトがそろっていても、それを使いこなさないとバリューが最大化しないので、使いこなすところの人的支援をロケーションバリューの「CAMP」という商品でサポートさせていただこうと思っています。現在の取引先様としては、約100社のお客様に支えていただいているという会社でございます。今日はどうぞよろしくお願いします。

ニューノーマルに向けて

モデレーター

 それでは、具体的なお話に入っていきたいと思います。ちょっと大きめになりますが「020年デジタルマーケティングにおける展望」という今回のテーマに対し、注目されている事がそれぞれの角度であられるかと思いますので、順番にお聞きしていきたいと思います。まず、大坪さんお願い致します。

大坪

 5月の末に緊急事態宣言も解除されて、6月から新しいノーマルに行こうみたいな形になっていると思います。だけど、その新しい常識、ニューノーマルって僕たちが今まで経験してなかったノーマルんじゃないですか。じゃあ戻るって言われても、それは僕たちが経験してなかった所なんですよね。なので、僕たちは皆「未来に戻っている」ような感じだと思うんですよ。僕たちの今置かれている状況は本当に「バックトゥーザフューチャー」なんじゃないかと思っています。

 本当はこんな形でDXが進まないほうが良かった、もっと自主的な素敵な形で起これば良かったと思うんですけども、結果として DXが色々な所で起こっています。僕が今、一番注目というか、すごいマクロな視点なんですがAppsFlyerとかモバイルマーケティングっていうところじゃなく、もうちょっと大きな視点なんですが「リモートワークの継続」というのは、世の中に一番大きな影響を与えていくんじゃないかと思っています。

 皆さんご存知のところでいうと、 twitter 社が「希望する社員は永久に自宅勤務OK」みたいなことを発表されましたよね。これもすごくサプライジングニュースで、同じように Facebookも在宅勤務OKでとなった。じゃあ日本はどうなっているのかというと、日立さん、それからNTTさんがこんな風に発表されました。日立さんは21年4月から半分在宅で、在宅支援っていうのもどんどんして行く。NTTさんも在宅5割をターゲットにして進めてい。これすごい大きなうねりだと思うんですよ。

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 今まで外資系でリモートワークっていうのはあったかもしれませんが、国内の最大手の企業がこういうふうにやり始めた。すごく大きな流れができたと思います。もしかしたらオフィスこんなにスペースいらなかったんじゃないかっていう話になって、実際オフィス改革の動きが出てきています。スタートアップの企業だけでなく、オプトさんみたいな大きな会社さんも「2億円削減」と言ってますね。これすごく大きなことです。その改革で生まれたお金を従業員に還元していくという流れになってるのかなと思います。

 一方で、従業員視点で見ていくと「リモートワークが続くんだったら、この狭いところに高い家賃を払って住まなくてもいいんじゃないか」というような動きが出てきてると思いますね。実際、私の付き合いのあるリフォーム業者の方に聞いたら今もうめちゃくちゃ忙しいとか。旦那さんだけ書斎があって、奥さんも自宅で勤務になってるのに子供の泣き声とかに囲まれながら仕事しなきゃいけない。「何であなただけ書斎があるの?私もほしい!」みたいなことでリフォーム業者さんにどんどん依頼が来ているそうです。今住んでるところをリフォームするだけじゃなく、もう引っ越しちゃうっていう動きも出てきてると思いますね。

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 ここにあるリクルートさんのアンケート、実は去年11月のものですが「テレワークx住まいの意識・実態」というテーマでして、予言してるとしか思えないような内容です。ここでは、(実際にテレワークを体験した人の)53%と半分以上の方が引っ越ししたいなと思っています。実際にやってみて、私も思うんですけども、今までこう右と左の「ワークライフバランス」みたいな感じだったのが、今って全部が入り組んで「ワークライフインテグレーション」というような形になってきてると思います。通勤って、いわゆる「三途の川」を渡るみたいな、つまり境界をまたぐ行為だと思うんですね。それがバウンダリーを超えるって言う感じではなくて、瞬間的にワークかライフに変わるみたいな、全部ごちゃまぜの状態になってると思うんです。

 で、結果的に仕事の効率がすごく上がっている方が多いんじゃないかなと思うんです。同時に、プライベートももちろん充実してですね。それで、以前の生活様式には戻れないということで当然なのかなと思います。

 意識もすごい変わってきており、モバイルペイメントでしか払いたくない、お金は触りたくないというニーズあるので、店舗さんもどんどんキャッシュレスの支払いを受け入れていく流れになってきてる。消費行動が量・質共に変化していると思います。買い物みたいなものが、もしかしたら相対的に順位が下がっていってしまうかもしれない。それよりも住環境とか安心安全っていうところに人の意識が向いていくので、どうやってそれを喚起していくのかというのは、広告主・企業視点で見ているとすごく大きなポイントになっていくんじゃないかなと思っています。

 まあそんな時ですが、この脅威をチャンスと捉えて前向きに進めていければいいんじゃないかな、というふうには思ってますが。過去のそのいろんな危機も、乗り越えた企業が大きくなってきていると。

 Netflixさんの話、ご存知の方も多いかもしれませんが、ブロックバスターさんに身売りをトライしてるんですね。でも、ブロックバスターが断ったんです。結果的に、ブロックバスターがつぶれてねってNetflixが今こんな大きな会社になっているということで、常識っていうのがもう不可逆的に変わっている。1回知ったこと・体験した事って記憶から消えないので、もう戻れないんですよね。不可逆的に変わっていく。なので、今変わりゆくこの常識っていうものを新しく受け入れて、先読みしながらチャンスに切り替えるのを、私達AppsFlyerも応援したいと思います。

(後編に続く)

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