Netflixのサービス改善の秘密

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Netflixが誇る、他社を圧倒する頻繁なリリース回数

前回の記事「Growthに携わって見えてきたNETFLIXの偉大さ」では、Netflixがいかなる改善もA/Bテストをする、というお話をさせていただきました。今回は、その秘密を探るということで、まずは下のグラフを御覧ください。

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GEM Standard(https://gem-standard.com/news_releases/220)より引用

ここでは、SVOD(Subscription Video on Demand=定額制動画配信)サービス別の市場シェア推移の記載があります。これによると2018年から2019年にかけて、同市場で最も市場シェアを伸ばしたのは、Netflixだということが分かります。
そこで、Netflixが他社と比べてどの程度改善を重ねているかを測る為に、2019年同市場における上位6サービスのアプリリリースまでの平均期間と最大値を調べました。

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グラフでは、過去25回のアプリリリース履歴が閲覧できるiOSアプリのみを対象とし、AVGが『平均リリース期間』、MAXが『リリース間の日数の最大値』を表しています。(2020年6月7日現在)
他のSVODサービスと比べても、Netflixはかなり短い期間で頻繁にアプリリリースを重ねている事が分かります。(なんと1週間に1度はリリースを実施している計算!)
なお、ここであげた6サービスでは唯一、過去25回のアプリリリースが2020年内に行われているサービスでした。
どういったアップデートがされているのでしょうか。 

Growth Engineeringの話 ~会員登録フロー~

Netflixは2018年時点で、世界に1億2500万人もの会員がいました。その会員すべてが通ってきたページが会員登録ページです。今回は、会員登録ページのGrowthを務めるエンジニアGopal Krishman氏のブログを元にお話出来ればと思います。
彼らがGrowthするのは「Signup Funnel」と呼ばれているところです。 

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Netflix Technology Blog(https://netflixtechblog.com)から引用


通常、下記のようなフローで会登録が実行されます。

  1. ランディングページ — Welcomes new users and highlights the Netflix value propositions
  2. プラン選択 — Highlights our plans and how they differ
  3. アカウント登録 — Enables account creation
  4. 支払い方法選択 — Presents payment options and accepts payment

 ただ、Netflixの場合は様々なユースケースが存在します。

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Netflix Technology Blog(https://netflixtechblog.com)から引用


例えば、アメリカでSTB端末(地上波端末)で会員登録する人も居れば、日本でiPhoneを用いて登録する人もいます。サービスとして成熟し、グローバルで使われているからこそ、その国と地域に最適化したデバイスをベースにUIを作成するのがGrowthの役割だと述べています。
では、最適化するために行っているのはどんなことなのか。ここで、A/Bテストが使われています。

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ここで最も気を付けているのが、Signup Funnel特有の「時間の短さ」だと言います。Krishman氏はこう続けます。

   “90秒で会員の関心を得ることができなければ、その会員は興味を失い違うことを始めてしまうでしょう。正しいコンテンツを提供できなかった、もしくはコンテンツは問題ないが番組を見るべき十分な理由をユーザーに提供できないと、ユーザーは離脱してしまい失敗となります。”

 

これらを各端末、各デバイスに最適化し提供するという作業をしているようです。その中で、数字のリフトアップに重要になるのが「クリエイティブ(Art Work)」になります。

次回はNetflixの「Art Work」について書いていきます。

 

【著者紹介】

又吉 陽二郎

入社後一貫してアプリのカスタマーサクセスに従事。「アプリは育てるもの」をモットーに、多数のO2Oアプリの大幅刷新、施策立案、実行、検証を継続的に実施。経験と勘ではなく、定量的な根拠を持ってアプリ改修を提案してきたが、現在日本にあるアプリ計測ツールに限界を感じてきた。現在はAmplitudeを用いたグロースコンサルティング及びデータインフラ構築を主な業務とし、O2Oアプリならではの問題を解決するグロース手法確立を目指す。